相手を尊重しているだけでは、自然体になれない?
オムスビは、「自然体でいられる場をつくる」ということを大切にしています。今まで「自然体でいること=無理をしないこと」だと思って、なるべく仕事でも無理がないようにフォローしてきました。
例えば、一緒にはたらくパートナーが、与えられたミッションが達成できなそうなとき。「無理しなくていいよ」と声をかけて仕事を巻き取ってあげるのは簡単です。しかしそれはもしかすると相手の成長機会を奪ってしまうことになっているかもしれません。またいつも仕事を巻き取っていると、仕事を抱え込んでしまいます。
相手が無理をしないよう、相手を尊重して肯定だけしていると、自分が不自然になってしまうことがあります。それはオムスビが目指している「自然体でいられる場をつくる」とは違うのではないかとモヤモヤしていました。
自然体っておもしろがることじゃないか?
そんなモヤモヤが晴れるヒントが見つかったのは、恒例のオムスビブランチ会を開催でした。※オムスビブランチ会は、普段はリモートでコミュニケーションしている仲間が、休日の朝に集まり、仕事のこと、プライベートのこと、価値観のこと、色々なことを自由に雑談する場です。(詳しくは「親睦を深めるなら、夜の飲み会より朝のブランチをオススメしたい」をどうぞ)今回は蔵前にある「Nui.」というゲストハウスに併設するカフェで開催しましたが、とっても自然体でいられる場でオススメです。
そのときの羽渕さん(オムスビの代表)は、いつにも増して自然体だったんです。息子さんを連れていたり、仕事とは違うオフの場だったっていうのもあります。でも周りからどう思われるとか関係なしに、最近あったおもしろかった話をしていました。
ちなみに羽渕さんが最近おもしろがっていることはこちらです。
「最近は自転車で東京を走ることがおもしろいんです。自転車は広い範囲を短時間で移動でき、気になる場所があればすぐに止まって探索できる。そこで、ググっても出てこない情報をたくさん見つけて、触れてみるのが最近の楽しみですね。」
「自転車乗ってて、たまたま見つけた、仏具屋さんがありまして。仏具ってすごいんですよ。リン(鈴)ってあるじゃないですか、実は鳴らした時の音の質で値段が決まるらしいです。」
「鳴らすだけで場の雰囲気を一瞬で変える力ありますよね。あれ、イベントとかで使えないですかね?」
仏具屋さんで鈴を鳴らして楽しんでいる様子は、まるで宝物を見つけるために夢中で探検をする少年のようです。
一緒に話していて、さらに自然体だなーと思ったのが、オムスビパートナーである鹿角さんの旦那さん。(オムスビブランチは家族・パートナー同伴可です!)
「僕、昔仕事でキャンプ場に長期間住んでいたことがあってですね、あるとき自分の寝床の近くに蛇が出たんですよ。それもかなり大きいの」
「最初はびっくりして、やっつけようと思ってたんですけどね、一度食べてみたんですよ。そうしたらおいしくて。」
「あ、そうそう、スズメバチも素揚げにするとエビみたいでおいしいですよ。これ食べれるかな?って考えるのがもうワクワクします」
「植物も、ただよーく観察しているだけでおもしろいんですよ。実は同じ種類でも小さな個体差があったり、それを探したりしてるといくらでも時間たちますね」
スズメバチを素揚げにするとエビになるかどうかわかりませんが、日が暮れるまで虫取りに熱中する少年みたいでした。ほかにも、僕の妻が、最近服の制作に夢中になっている話をしたり、佳奈さんが、たまたま街で見つけた教会にはいったときにおもしろかった話などをしたりしていました。
どうでもいい雑談をしながら、気づいたんです。
おもしろいは、自然体。
自分がおもしろいことに取り組んでいるとき、周りを気にせずに時間もわすれていたりします。そういうときが一番、自然体な状態じゃないでしょうか。またおもしろいって伝播するんですよね。リンを鳴らしたことないですし、スズメバチを素揚げして食べたこともないけど、自分までおもしろくなります。
きっと順番を間違えてはいけなくて、相手を尊重することが後で、自分がおもしろがることが先。もし自分がおもしろがれなかったら、無理して合わせずに距離をとればいいんです。
これからはオムスビは、みんなの「おもしろい」を中心に、自然体でいられる場をつくっていきたいと思います。「おもしろい」を、価値にしたいから、いい関係をむすび、自然体でいられる場をつくる。自然体でいられる場をつくるの先に、「おもしろい」を価値にすることがあったと気づいた週末でした。