リモートワークによる孤独感
暮らすと働くを近づけるために、必要な働き方は何か。誰もが思いつく働き方と言えばリモートワークでしょう。
オムスビは完全リモートの会社なので、リモートワークを実践することは多いのですが、8月は本業のクラウドワークスで自宅からも近いWeworkみなとみらいでリモート率を90%まで上げてみました。
僕自身日々のリモートワークの実践により、一定のノウハウは持っているつもりでした。
例えば、
・チャットでのコミュニケーションがメインになるため、不足なく伝えることを意識する
・ミーティングでは論点が散らからないように、事前にアジェンダを作って共有して進める
など
しかし、90%リモートを2週間ほど続けたある日、チームメンバーとの1on1で言われたことで考えるきっかけが生まれました。
最近、みんなリモートをしているので、一人で仕事をしている感じがする。気軽な相談ができなくなった。
できる限りチャットでのコミュニケーションを活発化しようと意識していましたが、そこにはチャットだけでは見えていない課題がありました。
常時接続タイムを作ってみた
それから自分なりに考えて生まれたのが、
「アジェンダのない常時接続タイム」です。
仕組みは簡単。
- 平日毎日15時から1時間田中(僕)がオンライン接続している状態作る
- 時間になるとSlackの自動botが接続用URLをチームメンバーに教えてくれる
- チームメンバーは入りたいときに入ればいい。入らなくてもいい
- 雑談をしてもいいし、仕事の相談をしてもいい。何も話さずに一緒に仕事してもOK
- アジェンダはなし。打ち合わせではなく、ただオンラインで接続するだけの時間
実際にやってみると、思ったよりも多くのチームメンバーが参加してくれました。
今は何の仕事をやっていたのか
今日の昼は何を食べたのか
最近考えていることの共有
出張先から接続して、現場リポート
オンライン接続直後の10分くらいは、そんな会話をして盛り上がります。
その後は、お互い特にしゃべらずそれぞれの作業をする。
聞きたいことが思いついたら、「そういえばさ・・・」という感じで切り出す。
途中から他のメンバーが参加してくる。
といったイメージで1時間が過ぎていきます。
相手の時間を奪うという「見えない制約」がなくなる
リモートワークに際して、ミーティングのアジェンダ作成は重要です。顔が見えないからこそ、その場の進行をできる限り「見える化」して進めることで、期待の成果が得られるでしょう。
でも、そういうミーティングだけでは解決できないこともあるようです。
チャットだと言語化しにくいし
ミーティングを設定するまでもない
会話が抜け落ちてしまうのです。
チームメンバーによれば、「ミーティングを設定するのは相手の時間を奪う意識が働く」そうです。確かに僕自身も、毎日忙しそうな後輩に「ちょっと15分もらってもいい?」とお願いするのが申し訳ないので、自分で解決しようとするときがあります。
「アジェンダのない常時接続タイム」
を設定したことで、相手の時間を奪う気持ちを減らし、軽い相談できる環境を作ることができました。実際1時間のうちしゃべっているのは10分くらいだったりするので、仕事が大幅に止まることもありません。オフィスにいるときに、「あ、そういえばあれって・・・」と話しかけるのとほぼ同じ時間だと思います。
この取り組みの導入で、確実にチームメンバーの会話の機会が増えました。むしろ、オフィスにいる時よりも対面している分幾分話しかけやすい という声もあったほどです。何よりもリモートワークによる孤独感が減ったことが大きな収穫でした。
リモートワークを実践する人が増えていく中で、「気軽な会話が減った」「仕事をしていて孤独を感じる」という方がいれば、ぜひ「アジェンダのない常時接続タイム」を試してみてはいかがでしょうか?
オムスビ カタリスト 田中健士郎