オムスビ冒険録は、新しくメンバーになったアカリによる、組織の文化や仕組みを記した物語です。実際のオムスビメンバーと対話しながら、組織の文化や仕組みを見える化していきます。組織の見える化に興味がある方、オムスビのメンバーとして一緒に働きたい方は、冒険録をお読みいただきながら一緒に冒険を楽しみましょう。
アカリ
LV.9で、オムスビは、自分の価値観を持って「納得解」が出せる人が生きやすい組織に最適化していると聞きました。具体的にどのような組織にしているのですか?
ハブチン
はい、その鍵は「暮らしとシゴトを近づける」ことにあります。仕事も重要なのですが、そのためにもまずちゃんと暮らしてほしいんです。
アカリ
え?暮らしが仕事に関係あるんですか?
前職では仕事がとても忙しくて、家に帰っても寝るだけの生活でした。お昼もオフィス近くのコンビニで済ませてました。仕事に集中した方が、仕事ができるようになると思うのですが。
ハブチン
そうですね。世の中はそうかもしれませんが、オムスビの仕事に限っていえば密接な関係があります。暮らしは、「自分のモノサシ」で判断するいい機会なんです。
アカリ
「自分のモノサシ」??
うーん、そうですかね?暮らしにおいても、港区でタワマンに住むのがステータスとか、メディアでよく目にする丁寧な暮らし特集とか「世間のモノサシ」はあるんじゃないですか?
ハブチン
はい、もちろん「世間のモノサシ」もありますよ。他には合理的や経済的という「損得のモノサシ」ですね。家賃が安いからとか、オフィスから近くて便利だからとかそういう理由。図にすると、こんな感じかな。
アカリ
確かに、この3つありますね。それでいうと、私は「損得のモノサシ」で選んでますね。
ハブチン
全然それでいいんですよ。価値観は多様であるべきなので、そのようなライフスタイルも尊重します。
ここで少し思い出してほしいのですが、「世の中的なモノサシ」と「損得のモノサシ」を使わずに、「自分のモノサシ」で判断していることって何かありませんか?こういう状態ですね。
アカリ
なんだろう。
ハブチン
周りから「大丈夫?」とか「めんどくさくない?」と言われたり。
アカリ
あぁ、そういう意味では、私自分でパンを焼くんですが、みんなにそれ「めんどくさくない?」と言われます。
ハブチン
おぉ、おもしろい!それは「自分のモノサシ」です。めんどくさくないんですか?
アカリ
めんどくさいって言えば、めんどくさいですよ〜。時間もお金もかかりますし。
でも、パンの生地ってやわらかくてこねるの気持ちいいんですよね。パンが焼ける匂いもいいし。普段仕事でキーボード叩いてるときでは得られない、五感が喜ぶ感じ。
結局、好きなんですよね。
ハブチン
とてもいいですね!素敵です。
アカリ
よく皆にこだわってるねと言われるんですが、私そんなにこだわってるつもりはないんです。例えば、オーガニックの小麦が使っていないし。最高を突き詰めればいくらでもできますが材料の値段もあがるし、そこまでしなくていいかなと。
ハブチン
それはまさに最高を突き詰めるというのはいわゆる「世間のモノサシ」になんでしょうね。逆に自分に合ったパンはこだわっているんですよね。
アカリ
はい、それはこだわっていますね。自分が美味しいと感じるパンじゃないと、作っている意味ないですから。
ハブチン
アカリさん、めちゃめちゃ「自分のモノサシ」持っているじゃないですか!
アカリ
確かに、この件では「自分のモノサシ」持っていますね。
ただ、一体、パンが仕事の何の役に立つんですか?
ハブチン
例えば、レストランでパンが出されたら、きっと自分にとって合うかどうかわかりますよね。
アカリ
すぐわかりますね。カメリヤで焼いたパンはパサパサしていて好みじゃないんです。
ハブチン
そう、好み!!それってまさに「納得解」ですよね。
「損得のモノサシ」から見ると、安くて手軽にできていいかもしれないけど、それでは顧客を豊かにすることはできない。
アカリ
私みたいに離れていきそうですね。パンってよく添えものとして出てくるけど、パンが美味しいお店って料理も美味しいんです。
ハブチン
添えもののパンひとつに「自分のモノサシ」で選んでいるレストランだから、当然ほかの料理や空間もこだわっていますよね。それが世界観に繋がって、顧客からそのレストランを選ぶようになるんです。
「損得のモノサシ」を追求したら、ファミレス化しますよね。
アカリ
なるほど。自分の中に「納得解」があることで、いろんなものを判断できる気がします。
ハブチン
そう、それが大事なんです。でも会社という存在は、「損得のモノサシ」を強要してしまう運命にあります。決まった時間、決まった場所で働く制約があると、オフィスから近い場所に住んで、オフィスの近くでご飯を食べるしかありませんよね。
アカリ
そうですね。私も仕事のために東京に出てきました。
ハブチン
うん、そうですよね。だからオムスビは、制約条件をなるべく排除したいと思いました。好きな時間、好きな場所で働けるようにする。本社は逗子にありますが、みんな別の地域で働いてくださっています。アカリさんが地元に帰りたいなら、地元で働いて大丈夫です。
アカリ
それはいいですね。確かにピロコさんも海外を旅するっておっしゃってましたし。
ハブチン
そうそう、他にもパートナーのタナケンさんは、オーストラリアに3週間旅行しながら働いていました。オムスビのホームページで記事にしていますが、異文化と交流すると、「自分のモノサシ」がわかるのでいいんですよね。
アカリ
でも自由すぎると、問題が起こりませんか。
ハブチン
はい、基本的にリモートワークはコンテクスト(文脈、背景)を共有しづらいので問題が起きやすいんです。最初は問題が起きていましたが、ノウハウも溜まってきたので改善されてきました。ノウハウはブログにも共有しているのでもしよかったら読んでください。
それでオムスビの仕事に限っていえば、そのデメリットを差し引いても、めちゃくちゃメリットがあるので採用しています。
アカリ
ということは、いろんな会社がリモートワークに向いているとは限らないんですね。
ハブチン
はい、事業によってはリモートワークが向いていない組織もあると思います。だからrebornが組織づくりのお手伝いをするときもリモートワークを推奨しません。あくまでケースバイケースです。
働き方改革だからってお題目で、リモートワークを推奨するのは違和感があります。もちろん世論を変えることで一定の効果はあると思いますけど。
アカリ
暮らしを優先することで、「自分のモノサシ」を持って「納得解」が出せる人が生きやすいことが見える化できました。私も好きな場所で働きたいと思います!
ハブチン
はい、ぜひ好きな場所で働いてください!