オムスビ冒険録は、新しくメンバーになったアカリによる、組織の文化や仕組みを記した物語です。実際のオムスビメンバーと対話しながら、組織の文化や仕組みを見える化していきます。組織の見える化に興味がある方、オムスビのメンバーとして一緒に働きたい方は、冒険録をお読みいただきながら一緒に冒険を楽しみましょう。
ハブチン
今日はパラレルワークをするにあたって、落ち入りがちな状況について見える化したいなと思います。先に言っておくと、この話は僕が悩んだ過去の実話です。
アカリ
よろしくおねがいします!
ハブチン
パラレルワークって複数の名刺を持つことになります。すると、しだいに自分が何者かわからなくなってきたんですよね。
アカリ
え。なんか中二病っぽいですね。
ハブチン
そうなんです、きっと自分のブランドを確立したかったんですよね。自分の名前で仕事して実績を作りたいから、”A社の羽渕”ですって言うのがはばかるというか。
アカリ
確かに。会社の肩書は、自分の肩書きではないですもんね。
ハブチン
はい、肩書きとか関係なく、ワタシはワタシって言いたかったんですね。
アカリ
まぁ、気持ちはわからなくないですけどね。
ハブチン
問題は自分の法人以外の肩書きで働くときに、「自分」を確立したい欲求が強くてその仕事に積極的に取り組めないというか。常に一歩引いてしまうというか。
アカリ
それは皆しんどいですね、チームで動いてると尚更。
ハブチン
そうなんです。これはどうにしかないといけないと感じました。それで自分の会社の仕事に絞ったんです。
つまり”オムスビの羽渕”としての仕事に絞った。でもまた問題が起こったんです。
アカリ
え?どんな問題が起こったんですか?
ハブチン
オムスビにいろんな方が関わってくと、『オムスビ=羽渕の人格』でもなくなってくるんですよね。また僕のように、ワタシはワタシって言いたい人も出てきた。
アカリ
すごくややこしくなってきましたね。
ハブチン
そうなんです。だから僕も考え方を変えたんですよね。オムスビは僕が立ち上げたけど、僕の価値観に合わせなくていい。自分の価値観にこだわり過ぎても、みんなも入りづらいし。
アカリ
たしかに入りづらい。私とハブチンさんは違うもん。
ハブチン
そうなんです。あくまでオムスビはオムスビのミッションに最適化した法人の価値観を定義して、個人の価値観と切り分けました。
アカリ
自分で立ち上げたのに、自分と切り分けたんですね。
ハブチン
はい、その通りです。自分自身も、オムスビを経営する役割をいただいた人として定義しなおしました。オムスビで働いているときはオムスビの価値観に従おうと。
アカリ
なるほど、割り切って考えるようになったんですね。
ハブチン
はい、そしたら他の会社の仕事も割り切って考えられるようになったんですね。A社の仕事をするときはA社の価値観に従って、”A社の羽渕”ですって言えるようになったんです。
アカリ
それは関係性がうまくいきそうですね。
ハブチン
はい、変なストレスはなくなりました。オムスビに関わるパートナーさんも、自分の法人立てて頑張ってらっしゃる方も多いので、うまく切り分けて考えてもらえると嬉しいなと思います。
アカリ
パラレルワークだと、自分と組織の関係性をととのえた方が仕事しやすそうですね。
ハブチン
はい、その通りだと思います。自分と組織の関係性については、オムスビの本棚にある『私とは何か「個人」から「分人」へ』が参考になると思うので、もしよかったら読んでみてください。
アカリ
はい、読んでみます!